下記のような方に向けて、相続発生後に必要となる主な手続きを時系列でわかりやすく解説します。
親が亡くなった後、何から始めたらいいのかわからない
相続手続きはいつまでに何をすればいいの?
仕事が忙しく、全体像を整理したい
相続手続きについて相談する
「何から始めればいいかわからない」という段階でもご相談いただけます。
相続手続きは全体の流れを把握することが重要です
① 相続手続きは期限のあるものが多い
② 相続人や財産によって必要な手続きが変わる
③ 手続きスタートの段階で全体像を整理することで負担を減らせる
【7日~14日以内】亡くなった直後に必要な手続き
死亡届の提出
正確には死亡の事実を知った日から7日以内です。提出先は、お亡くなりになった方のの死亡地・本籍地又は届出人の所在地の市役所、区役所又は町村役場です。
火葬・葬儀の手続き
法律的な期限はありませんが、死後24時間が経過しなければ火葬が出来ません。(墓地、埋葬等に関する法律3条)
年金・健康保険の確認
年金は「未支給年金」「遺族年金」がありますので、年金事務所で確認しましょう。死亡届は、日本年金機構にマイナンバーが収録されている人は、原則不要です。死亡届が必要な場合は、10日(国民年金は14日)以内が期限です。
国民健康保険に加入している方が亡くなった場合には14日以内に市町村への届出が必要です。また健康保険・厚生年金保険の被保険者が亡くなった場合には5日以内に届出が必要です。
年金死亡届出|日本年金機構
国民健康保険法施行規則|e-GOV
健康保険・厚生年金|日本年金機構
【相続開始後】まず確認したい3つのこと
法定相続人を確認する
相続手続きを行う場合には、原則的に法定相続人の関与が必要になるため、相続人が誰で、何人いるのか確認しておくことが必要です。
相続資産と負債(借金)を整理する
相続資産を整理して、どこでどんな手続きが必要か把握することと、被相続人の借金(負債)も確認しておきましょう。場合によっては相続放棄の検討も必要かもしれません。
遺言書の有無を確認する
被相続人が遺言書を残していた場合には、それを相続手続き使用しますので確認しましょう。遺言書の内容通りに相続資産は振り分けることができるため、そもそも遺言書があるのかは初めの段階で確認しておく必要があります。
【3ヶ月以内】相続放棄・限定承認の検討
借金がある場合には注意が必要
消費者金融や銀行などでの借入がある場合には、負債額が具体的にいくらなのか早めに確認しましょう。資産額(プラス)と負債額(マイナス)を把握したうえで、放棄すべきなのか判断しましょう。
相続放棄の期限は3ヶ月
相続放棄は家庭裁判所での手続きが必要ですが、3ヶ月以内という期間制限があるため、注意が必要です。また手続きには戸籍などの必要書類があるため早めに動き出すことが重要です。
迷った場合には早めの相談を
限定承認も相続放棄も、3ヶ月という期限がありますので、早めに動き出すことが重要です。
ただ「何をしたらいいのか」「何をしたらいけないのか」ということが、わからない・不安という方も多いかと思います。無理に自分で進めるのでなく、専門家へ早めに相談に行くことが一番確実で安全です。
【4ヶ月以内】準確定申告が必要なケース
準確定申告とは
所得税の一種で、通常は一年間の所得税を翌年の2月15日~3月15日までに申告しますが、年の中途で死亡した人は、相続人等が、1月1日から死亡日までに確定した所得金額および税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。これを準確定申告といいます。
会社員でも必要になることがある
会社員の方でも以下のようなケースでは準確定申告が必要になりますので注意が必要です。
・給与を2か所以上から受けている
・給与収入が2,000万円を超える
・給与所得、退職所得以外の所得が合計20万円を超える
・一定の額の公的年金等を受けている
遺産分割協議を進める
相続人全員で話し合いを行う
遺産分割協議は文字通り「協議」ですので、相続人同士での話し合いが必要です。
亡くなられた方(被相続人)の資産を誰がどのような割合で引き継ぐのかを決める必要があります。
相続人の全員が同意していれば、協議の内容は自由ですので、相続人の一人がすべてを引き継ぐという形でも、法定相続分通りに分けるという形でも問題ありません。
遺産分割協議書を作成する
話し合いが終わったら、話し合われた内容を書面として残すため、遺産分割協議書を作成する必要があります。遺産分割協議書は法律文書ですし、万が一相続手続き後に紛争が生じた際でも証拠資料として、機能するように、法律専門職に依頼することをお勧めいたします。
遠方・海外在住者がいる場合の注意点
相続人の中に、遠方在住の方がいる場合でも、話し合いができる関係性であればそこまで心配する必要はありません。遺産分割協議書は、各相続人に持回り形式で署名押印をしていけばよいため、相続人全員が一堂に会さなくても遺産分割協議は行うことが出来ます。
また遺産分割協議書を各相続人毎に一枚ずつ作成するという形式でも可能です。
海外在住者の場合には、その方が日本国籍か外国籍(元日本人で帰化した方など)によって変わります。
日本人の海外在住者の場合には、現地の日本領事館で在留証明やサイン証明などを作成するか、日本帰国時に日本の公証役場で認証をもらうという方法もあります。
いずれにしても、専門家に一度相談していただくことをお勧めいたします。
外国籍の海外在住者の場合にはより煩雑で、住んでいる国や日本での相続手続き先によって、必要書類が変わりますので、同じく専門家に相談することをお勧めいたします。
不動産の相続登記(名義変更)を行う
2024年から相続登記が義務化
2024年の4月1日から相続登記が法律で義務化されました。それに伴い、期限内に登記手続きを行わないと1過料(罰金のようなもの)が科される可能性があります。
相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内、遺産分割(相続人間の話合い)で不動産を取得した場合も、遺産分割から3年以内に、遺産分割の内容に応じた登記をする必要があります。
現在の法務省の発表では、過料は、10万円以下の範囲内で裁判所において決定されるとなっています。
相続登記に必要な書類
相続登記では主に以下のような書類が必要になります。
ケースによっては下記の書類以外にも必要な書類が増えることもあります。
- 被相続人と法定相続人の戸籍
- 法定相続人の印鑑証明書
- 遺産分割協議書
※遺産分割協議を行った場合 - 遺言書
※被相続人が遺言書を残している場合 - 登記名義人(不動産を引き継ぐ人)の住民票or戸籍の附票
- 最新年度の不動産の固定資産税評価証明書
相続登記を放置するリスク
相続登記を放置するリスクは、上述で説明した、過料(罰金)もありますが、それ以外にもあります。
それは、所有権を引き継ぐ権利を持った人(相続人)が時間の経過とともに増えるということです。
最初は子供2人だけでも、時間の経過とともにその子供や奥さんなどが相続人になり、さらに子供が亡くなって孫に権利が移り、場合によって孫の配偶者に相続権が移り、ほぼ他人のような人が相続人に入ってしまっているというケースも実際にあります。
そうなるともはや、その不動産を処分(売却など)することは事実上不可能という状態になってしまうでしょう。仮に現在の所有者に権利を移す作業をする場合でも、何十人という相続人から印鑑をもらう必要があり、その手続き費用だけで数十万円かかるということは普通にある話です。
過料10万円だけ聞くとそこまで大きな損失とは思わない方もいるかもしれません。しかし長期的な視点で考えると10万円の損失とは比べ物にならないほどのマイナスが発生する可能性があるということです。
預貯金の解約・各種名義変更を行う
銀行口座の解約手続き
被相続人名義の銀行口座は、亡くなっていることが銀行側に把握されると、原則口座が凍結されます。凍結を解除して相続人に預金を移すためには、解約の手続きを行う必要があります。
口座の解約では、相続登記などで利用する戸籍、印鑑証明書、遺産分割協議書を利用しますので、そのまま他の手続きで利用した書類を使いまわしすることが出来ます。
銀行によって必要な書類や有効期限などは異なりますので、事前に確認することをお勧めします。
保険金請求・証券口座の解約
銀行口座の解約と同じように、戸籍や遺産分割協議書などが必要になるケースが多いです。詳しくはその会社に問い合わせをして頂くのが一番早いかと思います。
証券口座の場合、証券会社で相続人さんが固有の口座を作成して、その口座に被相続人が保有していた証券を入れるという取扱いが多い気がします。
公共料金・不動産・車などの変更
公共料金は、解約する場合もあれば名義変更する場合もあるでしょう。いずれにしても一度会社に連絡して必要な手続きや資料を確認するようにしましょう。
不動産の名義変更は上述(相続登記)で説明した通りです。
車に関しては、不動産の名義変更や預金口座解約と同じように遺産分割協議書や印鑑証明書が必要になります。
【10ヶ月以内】相続税申告が必要な場合
相続税申告が必要になるケース
課税対象になる遺産総額が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超えると申告・納付の必要が出てきます。
なお平成27年1月1日以降は基礎控除額の引下げ等が行われていますので、相続税の申告・納付を要するケースが増加しています。
不動産がある場合には注意が必要
土地の形が正方形や長方形などの整った形で、公道に面している場合や住宅街にある区画整理された土地などなら、土地の評価はそれほど難しくありません。しかし、いびつな形の土地や間口が狭い土地、または、奥行が長い土地などの評価はやや難解ですので、注意が必要です。
また賃貸アパートや貸駐車場の敷地、借地、農地や山林などがある場合には、税理士などの専門家へ相談することをお勧めします。
税理士への相談が必要なケース
相続税申告が必要なケースで、税理士への相談が必要な場合としては、上述の不動産のケース以外にも下記のようなことがあります。
・被相続人が会社経営者で、遺産の中に上場していない会社株式がある場合
・家族名義の財産の中に実質的な被相続人の遺産がある
・被相続人の遺産で海外にも財産がある
・被相続人の一定の生前贈与がある
相続手続きでよくある悩み
何から始めたらいいのかわからない
相続手続きは多種多様なため、どの手続きをどのタイミングで行えばよいのかわからないという方も多いかと思います。インターネット上の情報などを見ても様々な情報が出てくるためむしろ混乱してしまうなんてこともあるでしょう。
仕事が忙しく手続きの時間が取れない
特に現役世代の方に多いですが、日中お仕事をされていて手続きをするための時間がないという方もいます。
相続人が県外・海外に住んでいる
相続人全員が日本に住んでいる日本国籍の方であれば問題ありませんが、海外在住の日本人や帰化をして外国籍になっている方などが絡む手続きの場合には、通常の手続きよりも必要書類が増えたり、必要な手続きが増えることもあり、手続き自体のハードルが上がります。
不動産をどうするか決まっていない
相続した不動産の処分をどうするか決まっていない場合に困る方も多いです。特に自分が住んでいるエリアから遠い場所の不動産の場合、管理自体も難しいため、処分をしたいけど踏み切れないとか、そもそも売れないなど悩み方も様々です。
司法書士に依頼できる相続手続き
戸籍収集・相続人調査
遺産分割協議書の作成
相続放棄手続き
銀行口座の解約
不動産の相続登記
必要に応じた税理士・不動産業者との連携
よくある質問(FAQ)
Q相続手続きはいつから始めればいいですか?
行う手続きによって期限が異なるため一概には言えませんが、早いものですと2週間以内、3ヶ月以内というものもありますので、早めに着手していただくことをお勧めします。わからない場合には、専門家へご相談ください。
Q相続手続きは必ず必要ですか?
相続登記は2024年4月1日から法律で義務化されましたので、必要な手続きです。新しい法律では、正当理由がないのに手続きをしないと、10万円以下の罰金の可能性がありますので、ご注意ください。
Q相続人が遠方に住んでいても手続きはできますか?
直接お会いできなくても、お電話・郵送でやりとりする方法もございますので、一度ご相談下さい。また不動産が市外・県外でもオンラインで登記申請しますので、対応可能です。
Q相談時に必要なものはありますか?
次のようなものが必要になります。
◎亡くなられた方の資産がわかる資料
(例 固定資産税課税明細書、預金通帳、有価証券など)
◎ご本人様確認資料(例 マイナンバーカード、運転免許証など)
※正式にご依頼いただく場合にコピーを取らせていただきます
◎ご相談に来られる相続人様の認印
※正式にご依頼いただく場合に、押印していただく書類があるためです
Qどの専門家に相談すればいいかわかりません。
相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士、相続人同士で揉めたら弁護士、不動産の売却は不動産会社などに相談することが多いでしょう。専門家別の相続業務範囲などを解説した記事がありますので、詳しくはそちらをご覧ください。
豊橋・豊川・浜松・湖西で相続手続きを相談したい方へ
相続全体を整理しながら進めることが大切
相続手続きは、相続人や財産の内容によって必要な手続きが異なります。
「何から始めればいいのかわからない」「仕事が忙しく、自分で手続きを進める時間がない」「相続人が県外や海外に住んでいる」などの場合は、早めに専門家へ相談することで、手続きの負担を減らすことができます。
何をすればいいかわからない段階でもご相談ください
相続が発生したばかりで、まだ何も整理できていない場合でも問題ありません。
まずは、下記の事項を整理することから始めます。
・相続人は誰なのか
・どのような財産があるのか
・遺言書は残されているのか
・相続放棄を検討する必要があるのか
・不動産の相続登記が必要なのか
・相続税の申告が必要なのか
必要な手続きを一つずつ確認することで、「何をいつまでにすればいいのか」が明確になります。
忙しい方・遠方にお住まいの方も相続手続きを進められます
仕事などで平日に時間を取ることが難しい方や、豊橋・豊川・浜松・湖西から離れた地域にお住まいの方でも、相続手続きを進めることは可能です。
戸籍の収集や相続人の調査、遺産分割協議書の作成、不動産の相続登記など、専門家に依頼できる手続きを任せることで、ご自身で役所や法務局などへ何度も足を運ぶ負担を減らせます。
必要に応じて他の専門家とも連携します
相続では、司法書士だけでは対応できない問題が生じることもあります。
・相続税の申告 → 税理士
・相続人同士のトラブル → 弁護士
・相続した不動産の売却 → 不動産業者
上記のように、それぞれ専門的な対応が必要になります。
そのため、相続手続き全体を整理したうえで、必要に応じて各分野の専門家と連携しながら進めることが大切です。「どの専門家に相談すればいいかわからない」という方も、まずは現在の状況を整理するところからご相談ください。

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まとめ|相続手続きは早めの整理が重要です
相続が発生したら、まず必要な手続きを整理し、期限のある手続きから順番に進めることが大切です。
- 相続人と相続財産を確認する
- 遺言書の有無を確認する
- 相続放棄などの期限を確認する
- 遺産分割協議を行う
- 不動産の相続登記を行う
- 預貯金などの相続手続きを進める
- 必要に応じて相続税申告を行う
相続人が遠方に住んでいる場合や、仕事などで手続きの時間が取れない場合には、専門家に依頼することで負担を減らせる場合があります。
豊橋・豊川・浜松・湖西で相続手続きについてお悩みの方は、「何から始めればいいかわからない」という段階でも、まずはご自身の状況を整理することから始めてみてください。

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