司法書士 太田 徹
この記事を書いた人

(所属会)愛知県司法書士会 会員番号2133・簡裁訴訟代理等関係業務 認定番号第1801503号・一般社団法人日本財産管理協会
(経歴)20代から司法書士試験の勉強をしながら司法書士事務所で補助者業務に従事する。平成29年度に司法書士試験合格。愛知県岡崎市の司法書士法人で司法書士として4年間実務経験を積む。令和4年、すでに開業していた父の社会保険労務士事務所と合同という形で、太田合同事務所を開業。

趣味)競馬観戦(ギャンブルはしません。昔社台ファームで働いていました)、サッカー観戦(セリエA、プレミア、Jリーグが好きです)、子供と遊ぶこと(娘が2人います)

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    遺産分割協議書とは?

    遺産分割協議書についての詳しい説明や書き方、記載例などを解説した記事がありますので、そちらをご覧いただければと思います。

    遺産分割協議書以外に必要な書類は?

    遺産分割協議書に関しては、相続人が各自署名押印をして、記載内容に不備不足等がなければ、遺産分割協議書としては有効なものになります。

    しかし遺産分割協議書があったとしても、それだけで、相続手続きが完了するのではなく、作成した遺産分割協議書を利用して、不動産名義変更(相続登記)や金融機関の口座解約などをしていくことになります。
    あくまでも遺産分割協議書はその手続きで必要な添付書面の一部にすぎません。

    上記の通り、遺産分割協議書には原則、相続人の実印押印が必要になります。
    法律上、遺産分割協議書に押す印鑑が実印でなければならないという規定は有りませんが、実際には主要な相続手続きでは、実印押印が求められます(法務局、税務署、金融機関)

    そして、実印押印が必要ということは、印鑑証明書が必要になります。
    (注)実印の印影確認として印鑑証明書で確認する必要があるため。

    法務局での遺産分割協議書の必要書類

    相続が発生した際に、被相続人(亡くなった方)が不動産を所有していた場合には、相続登記手続きが必要になります。
    相続登記手続きは被相続人から相続人へ名義を変更する手続きですが、この相続登記手続きにおいても遺産分割協議書が必要になります(遺言書を使用して相続登記する場合や法定相続の場合には不要
    です

    そして、遺産分割協議書に伴う書類として印鑑証明書が必要になります(法務局における相続登記では遺産分割協議書に実印押印が必要なため)
    法務局における相続登記で必要な、印鑑証明書は、発行後3ヶ月以内というような期間制限はありません。

    少し話はそれますが、贈与や売買などでも登記手続きの際に印鑑証明書を添付しますが、その際の印鑑証明書は発行後3ヶ月以内という制限があります。

    相続登記に関する情報は法務省のホームページにも掲載されていますので下記リンクからご覧ください。

    税務署での遺産分割協議書の必要書類

    相続税の申告が必要なケースでは、必要な書類を税務署に提出する必要があります。
    そして遺産分割協議をしていた場合には、提出書類として遺産分割協議書が必要です。

    以下の特例適用を受ける場合で遺産分割協議がある場合には、遺産分割協議書及び印鑑証明書が必要になります。
    印鑑証明書については「原本」が必要になります。

    ●配偶者に対する相続税額の軽減

    ●小規模宅地等

    ●特定計画山林

    ●農地等の納税猶予

    印鑑証明書の提出が必要なのは、法務局の相続登記と同じですし、印鑑証明書の発行後の期間制限がないのも相続登記で添付する印鑑証明書と同じです。

    相続税申告に関する情報は国税庁のホームページにも資料として掲載されていますので下記リンクからご覧ください。

    金融機関での遺産分割協議書の必要書類

    金融機関で相続に伴う、口座の解約手続きを行う場合にも相続登記や相続税申告と同じように、遺産分割協議書を利用して解約手続きが出来ます。
    (注)金融機関によっては、遺産分割協議書の代わりに金融機関特有の書式に、相続人が署名捺印をすることで遺産分割協議書の代わりの書類として解約手続きで使用するということもあります。金融機関によって取り扱いが異なると思いますので、事前に金融機関にご確認ください。

    金融機関は全国津々浦々ありますので、全国的な銀行の口座解約ケースを例に遺産分割協議書の必要書類は何かを記載しました。
    (注)全て、遺言書が無く遺産分割協議書で相続手続きを行う場合の話です

    三菱UFJ銀行

    ●遺産分割協議書
    三菱UFJ銀行の預金口座などについて、承継人が明確となっているものが必要です。

    ●印鑑証明書
    発行日より6ヵ月以内のもので、法定相続人の方全員分が必要
    また原本の提出が必要で、被相続人名義での借り入れがある場合、発行日より3ヵ月以内のものが必要とのことです。

    三菱UFJ銀行の相続に関する情報は三菱UFJ銀行ホームページにも掲載されていますので下記リンクからご覧ください。

    三井住友銀行

    ●遺産分割協議書

    ●すべての相続人さまの印鑑登録証明書
    発行より6ヵ月以内のもの、原本の提出が必要。未成年者が相続する場合、必要となる印鑑登録証明書は代理人の分です。

    三井住友銀行の相続に関する情報は三井住友銀行ホームページにも掲載されていますので下記リンクからご覧ください。

    みずほ銀行

    ●遺産分割協議書
    原本の提出が必要ですがコピーを取って返却してもらえるようです。

    ●相続人の印鑑登録証明書
    発行より6ヵ月以内のもの、ご融資取引がある場合は、発行日より3ヵ月以内のもの
    原本の提出が必要ですがコピーを取って返却してもらえるようです。
    海外に居住されている場合は、印鑑証明書の代わりに「サイン証明書」が必要になります。

    みずほ銀行の相続に関する情報はみずほ銀行ホームページにも掲載されていますので下記リンクからご覧ください。

    司法書士太田合同事務所からのアドバイス

    遺産分割協議書は遺言書が無い相続手続きでは、必ずと言っていいほど、必要な書類になります。
    しかしながら、遺産分割協議書単独では相続手続きが完結するわけではありませんので、印鑑証明書が必要になるケースが多いわけです。

    印鑑証明書が必要な理由は、上述した通り、遺産分割協議書に実印を押すためです。
    印鑑証明書は、実印登録をしている人なら誰でも取得することが出来ますので、まだ登録していないという方は登録しましょう。

    遺産分割協議書の作成は、可能なら司法書士のような法律専門職に依頼するようにしましょう。
    稀に一般の方が、自分で作成した遺産分割協議書をお持ちいただくことがあるのですが、手直しが必要で大きく修正する必要があったり、表現があいまいで申請先(特に法務局)の審査が通るか微妙なものがあったりします。

    我々としては、お客様の大切な権利を迅速かつ確実に移転させたいので、確実に審査が通る、疑義のない遺産分割協議書を利用したいというのが本音です。

    遺産分割協議書はその場の相続手続きで利用するためだけでなく、相続手続き後に、トラブルが起きないようにするためのツールでもあります。
    手続きが終わった後に、
    トラブルが起きることがないような遺産分割協議書を作成しましょう。

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