司法書士 太田 徹
この記事を書いた人

(所属会)愛知県司法書士会 会員番号2133・簡裁訴訟代理等関係業務 認定番号第1801503号・一般社団法人日本財産管理協会
(経歴)20代から司法書士試験の勉強をしながら司法書士事務所で補助者業務に従事する。平成29年度に司法書士試験合格。愛知県岡崎市の司法書士法人で司法書士として4年間実務経験を積む。令和4年、すでに開業していた父の社会保険労務士事務所と合同という形で、太田合同事務所を開業。

趣味)競馬観戦(ギャンブルはしません。昔社台ファームで働いていました)、サッカー観戦(セリエA、プレミア、Jリーグが好きです)、子供と遊ぶこと(娘が2人います)

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    法定相続人の順位について

    法定相続人とは、民法という法律で決められた、人が亡くなった場合にその人の権利や義務を承継することになる法律上の立場の人のことです。

    民法 第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
     子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
     配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
     配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
     子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

    (引用元 e-GOV法令検索)

    法定相続人についての基本的解説は、別の記事で書いていますのでそちらをご覧ください。
    法定相続人の順位のこともこちらの記事に記載しています。

    配偶者がいない場合

    民法上ですと、配偶者は常に法定相続人になることがわかると思います。
    では、そもそも配偶者がいない場合にはどうなるのでしょうか?

    上記のような場合には、非常にシンプルで、民法900条で定められている、相続人がそのままの優先順位で相続分を取得していくことになります。

    例えば、配偶者がいないが子供がいる場合には、子供が等分で相続分を取得することになります。
    子供が長男次男の二人であれば、2分の1ずつ取得することになります。

    子供が4人いれば、4分の1ずつとなります。

    ちなみに旧民法では、嫡出子(婚姻関係にある男女の間に生まれた子)と非嫡出子(婚姻関係にない男女の間で生まれた子)の相続分が異なる取り扱いでした。(嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする規定 旧民法904条4号但し書き)
    現在は、この規定は違憲とされ、削除されています。

    子供がいない場合

    では子供がいない人が被相続人の場合にはどうなるのでしょうか?

    例えば、配偶者がいるが子供がいないという場合と配偶者もおらず子供もいないという場合があると思います。
    上記のようなケースでは、配偶者がいれば、その配偶者と第二順位である直系尊属(父母祖父母)が相続人となります。

    配偶者がおらず、子供もいないとなりますと、第二順位である直系尊属(父母祖父母)のみが相続人となり、条文通り直系尊属が等分で相続分を取得することになります。

    戸籍を遡って確認して、被相続人の直系尊属を確認する必要があります。
    直系尊属が死亡している場合には、死亡記載のある戸籍が必要になってきます。

    (死亡の確認をしないと、第三順位の相続人の相続権が証明できないためです)

    兄弟相続の注意点

    さてここまで、第一順位である子供、第二順位である直系尊属のお話をしてきました。

    第三順位である、被相続人のご兄弟が相続人になるケースでは、どのようなことに注意すべきかという話です。
    優先順位としては、一番下になりますので、相続手続きで多くないように思われる方もいるかもしれません。
    ただ実務では、比較的多いケースです。

    というのも、第一順位である子供さんがいない被相続人の場合には、往々にして、直系尊属が既に亡くなっているというケースが多いです。
    (被相続人よりも年長者である直系尊属の方が既に亡くなられていることは、当然と言えば当然なのですが・・・)

    そして兄弟相続で注意が必要なのが、相続分についての規定です。
    上記で記載した、民法900条4項但し書きの部分です

    条文では「ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」となっています。

    これはつまり、兄弟相続によって相続人になる方が被相続人の異母兄弟、異父兄弟の場合には、被相続人と父母が同じご兄弟の相続分の2分の1になるということです。

    嫡出子と非嫡出子の相続分の違いに関しては、改正によって同じになりましたが、兄弟相続のこの部分に関しては、相続分が変わってきますので、ご注意ください。

    司法書士太田合同事務所からのアドバイス

    以上が法定相続人に関することでした。

    民法の規定だけ見ると、短文でそこまで複雑なようには見えないかも知れませんが、上記で説明した通り、様々な事柄が絡んでいますので、注意すべきことも多いです。

    第一順位である子供と配偶者が相続人になる場合には、相続手続きで必要な戸籍の数なども多くなりにくいですし、相続関係が複雑になるということも比較的少ないです。

    ですが、兄弟相続のようなケースでは、相続人が多くなりやすかったり、上記で説明した、相続分の問題があったりと、注意すべきことが多くなりやすいので、是非司法書士などの専門家を活用してみてください。

    弊所でも過去に相続人が20人以上いるような手続きを行ったこともありますので、相続手続きでお困りでしたら、お気軽にお問い合わせください。

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